ワイルズとは別の証明を紹介します。
2026.2.20




Sさんの新証明をアップしてからもう20年以上たってしまいましたが、フェルマーの大定理についてはすっかりご無沙汰していました。Sさんの新証明への反論を半分ほど納得してしまったので、さらに深堀りする気力が生まれませんでした。最近、少し時間が出来たので、自分の力でフェルマーを証明してみようと思ってやってみたのですが、まったく証明の手掛かりさえ見つからず、やっぱり止めようという気持ちになりました。そして、再度、新証明を読み直してみたのですが、「新証明の失敗したところを修正してみたらどうか」という思いになり、少し真剣に再検討することにしました。するとなんと!!!、失敗したという結論は間違っていたのではないかという気持ちになってきました。修正が可能ではないかと思い、やってみたのがこの証明です。はたして正しいかどうかは皆様の検証に委ねたいと思います。





証明全体を書き直すほどの修正ではありません。先のSさんの証明(フェルマーの大定理の新証明・保存版)の一部を修正し、追加する形で説明することにします。修正点は「acと(ad-cb)/2が互いに素である」という前提を省くことです。

先の証明への反論は「acと(ad-cb)/2が互いに素」のところに集中していました。私もそうだなと思ったので、証明を諦めたのですが、ならばこの条件を外してやり直せばよいはずです。もちろん、以前もそう思ってやってみたのですが、その時はうまくいきませんでした。真剣さが足りなかったのです。今回はしつこく、粘り強く掘り下げたので、なんとか証明の完成にたどり着きました。

先の証明を読んでない方にはちんぷんかんぷんになるでしょうが、一応、少しだけおさらいすると、「証明の第2部」のところを修正します。第1式が  X^n+Y^n=Z^n  という式です。(式の表記方法は簡略化してあるので、ご了承ください。) 第5式は  (ac)^n+((ad-bc)/2)^n=((ad+bc)/2)^n  というものです。どうして第5式になるかは先の証明(保存版)を参照してください。ここに登場する ac と (ad-bc)/2 が互いに素であるという条件のもとで先の新証明は進められていましたが、この条件は外すことにします。

考えてみると、a とは (Z-Y)/X=b/a の a ですから、Xと同じ因子を持っています。c も (Z+Y)/X=d/c の c もXと同じ因子を持っています。つまり、a と c は同じ因子を持つ兄弟のようなものです。ですから、ac と (ad-bc)/2 が互いに素であることは普通ではないことは明らかです。普通ではないことを条件とする先の証明は初めから問題があったことになります。




■      第3部からやり直します。


まずは X^3+Y^3=Z^3 の証明から始めますが、その前に ac, (ad-bc)/2 が素であるという条件を外してあるので、この再検討、修正から始めます。

a, c ともに X の因数が含まれているので、普通は素ではありません。そこで、共通の因子を括りだしておきます。a=jp, c=jq とし、jを共通因子とします。すると、p, q は互いに素となります。(Z-Y)/X=b/a  ですから、b/jp となり、b と j, p は互いに素となります。(Z+Y)/X=d/c なので d/jq となり、d と j, q は互いに素となります。

さて。そういう条件で X^3+Y^3=Z^3 をj,p,q,b,d に置き換えます。1+(Y/X)^3=(Z/X)^3 と直して、保存版の第2部にあるように変化させていくと (ac)^3 + ((ad-bc)/2)^3 = ((ad+bc)/2)^3 となることは保存版に書いてある通りです。これを展開すると 8(ac)^3 = 6(ad)^2(bc) + 2(bc)^3 となります。2で割れるので整理すると 4(ac)^3 = 3(ad)^2(bc) + (bc)^3 となります。これが保存版に載せられている式です。 この式を a で割るのが保存版のやり方ですが、a, c は j, p, q に変更されているので、まずは j, p, q に変更しておきます。 4(j^2*pq)^3 = 3(jpd)^2(bjq) + (bjq)^3 となります。j^3が共通なので割っておきます。それを p で割ると、 4*j^3*p^2*q^3 = 3p*d^2(bq) + (bq)^3/p やや複雑な式になってしまいましたが、最後の式にpの割り算が出てきます。b, q ともに p と互いに素の関係なので、普通は割り切れません。ですから、(bq)^3/p が自然数となるのは p=1 のときだけです。

ここまでは保存版と同じです。保存版ではここから b が1以下となるので矛盾と判定されたのですが、今回は b/jp が基本なので、bを矛盾と判定できません。




■      ここからが修正した証明となります。

可能性のある数の範囲を減らすため、基本的なところを再確認しておきます。

まず X^n + 1 = Z^n を成り立たせる自然数X, Z は存在しないことを証明しておきます。

Z^n-X^n=1 ですから、(Z-X) * { Z^(n-1) + Z^(n-2)X + Z^(n-3)X^(n-2) + .... } と因数分解できます。自然数ですから、Z-X=1 かつ Z^(n-1) + Z(n-2)X + ... =1 でなければなりません。しかし、Z^(n-1) + ... は1になりませんから、X^n + 1 = Z^n は成り立たないことになります。

ということは、X, Y は必ず2以上の数となります。X, Y のどちらかは必ず奇数になるので、説明では Xを奇数としておきます。X=3 以上、Y は 2 以上、Z は  Z > 3 なので 4 以上となります。

なお、X^n + n = Z^n を成り立たせる X, Z もありません。なぜなら、{ Z^(n-1)+Z^(n-2)X+... の式はn個の数から成っていて、合計は必ずn以上になるからです。

X-Y < Z です。なぜなら、X < Z なので、X-Y < Z となります。X+Y > Z です。なぜなら、(X+Y)^n = X^n + C(n-1)X^(n-1)Y + C(n-2)X^(n-2)Y^2 + .... + Y^n なので、(X+Y)^n = X^n + Y^n + C(n-1)X^(n-1)Y + .... と並べ替え、X^n+Y^n に Z^n を代入します。すると、(X+Y)^n = Z^n + C(n-1)X^(n-1)Y + ... なので (X+Y)^n > Z^n 、ゆえに、X+Y > Z となります。

a, b, c, d および、j, p, q の下限を調べます。(Z-Y)/X=b/a, (Z+Y)/X=d/c で、a=jp, c=jq です。(Z-Y)、(Z+Y) は奇数なので b, d は奇数、X は奇数なので a, c も奇数、よって j, p, q も奇数となります。

nが奇数のとき、第5式を展開すると b^n*q^n という項が現れます。全体をpで割るとこれだけが b^n*q^n/p という形になり、b, q と p は互いに素なので割り切れません。ですから、p=1 が確定します。

X+Y > Z なので (Z-Y)/X < 1 となり、b/jp < 1 となります。d/jq > 1 なので dは3以上となります。nが奇数のときは p=1 なので、j が3以上となり、d は5以上となります。

(Z-Y)/X=b/jp,  (Z+Y)/X=d/jq を X/j で結ぶと pd(Z-Y) = qb(Z+Y)  を得ます。 pdZ-pdY=qbZ+qbY 、Z=Y(pd+qb)/(pd-qb) で、Z > Y なので、 (pd+qb)/(pd-qb) > 1 となります。 左辺=1 ということはないし、自然数なので2以上となります。 つまり、(pd+qb)/(pd-qb) >= 2  (pd+qb) >= 2(pd-qb)  よって、 3qb >= pd  となります。



■      n=3 の続き


p=1 が確定したので、さらに q^2 で割ることにします。p=1 は代入しておきます。 4j^3*q^3 = 3d^2*bq/q^2 + b^3*q^3 となります。この中の 3d^2*bq/q^2 は d, と q が互いに素なので、割り切れません。とすると、q=1 もしくは q=3、もしくは q が b の約数であるという可能性が残されます。

ところが同じ式を b で割ってみます。  4j^3*q^3 = 3d^2*bq + b^3*q^3 の両辺を b で割るということです。すると左辺に 4j^3q^3/b が残ります。bは奇数なので b=1 でなければ q の約数となります。q が bの約数で、b がqの約数であることは b=q ということです。ですから、この式は q=1, q=3, b=1, もしくは b=q という4通りの可能性しかないことを示しています。

ここから先は場合分けが増えてかなり複雑になります。q=1, q=3, b=1, b=q という4つの場合に分けて分析します。

(1)      b=q の場合

最初に b=q の場合を取り上げます。p=1 はすでに確定しています。b=q を代入します。 4j^3*q^3 = 3d^2*q^2 + q^6 で、q^2 を括りだしておきます。 4j^3*q=3d^2+q^4 この両辺をqで割ると、3d^2/q が割り算として残ります。d, q が素の関係なので、q=1, or 3 となります。b=q なので q=1 なら b=1 となり、(Z-Y)/X=1/j, (Z+Y)/X=d/j と置くことができます。これを変形して 3qb >= pd の形に導きます。q, b, p を代入すると 3 >= d となります。しかし、d は 5 以上の数なので、この式は成り立ちません。

q=3 なら b=3 となり、4j^3=d^2+27 が代入後の式となります。(Z-Y)/X=3/j, (Z+Y)/X=d/3j を整理すると 27 >= d となり、d は奇数で q=3 の倍数ではないので d = 25, 23, 19, .... とたくさん可能性がありますが、b < jp なので j >= 5 で (jは奇数)、d > jq なので d > 15 です。つまり、d は奇数なので 17 以上となります。あとは、ひとつひとつ代入して j が何になるかを計算します。25のときは 4j^3=652 で自然数になりません。23のときは 4j^3=556 で自然数になりません。以下同様で、d=19 では 4j^3=388, d=17 で 4j^3=316  となり、いずれも j は自然数になりません。

(2)      q=1 の場合

b=q が終わったので、q=1 に戻って証明を続けます。最初の式に q=1 を代入します。すると 4j^3 = 3d^2*b + b^3 となります。両辺をbで割ると、左辺だけが割り算として残ります。4j^3/b ですが、j と b は互いに素ですから割り切れません。bは奇数なので b=1 だけが可能な数となります。q=1 なので、すでに b=q で証明は終わっているので飛ばします。

(3)      q=3 の場合

q=3 の場合を検討します。代入すると 12j^3=d^2b+3b^3 となります。両辺をbで割ると、左辺に 12j^3/b が残ります。j と b は素の関係なので、これが自然数になる条件は b=1, 2, 3, 4, 6, 12 ですが、bは奇数なので、1 か 3 ということになります。b=1 のとき、(Z-Y)/X=1/j, (Z+Y)/X=d/j ということで、先の分析と同じで、5以上の数である d が d=3 にしかならないので成り立ちません。

q=3, b=3 はすでに b=q で検討済みなので飛ばします。

(4)      b=1 の場合

b=1 とすると 4j^3*q^2 = 3d^2 + q^2 となるので、両辺をqで割ります。すると 3d^2/q を自然数とするためには q=1 ,q=3 ということになります。q=1 はすでに b=q で検討済みです。q=3 のときは 12j^3 = d^2 + 3 で、j > b で j は 3 以上、d > 9 で d は 9 より大きい数となり、11 以上となります。また、3qb >= d なので 成り立ちません。

以上で X^3+Y^3=Z^3 を成り立たせる a, b, c, d の組み合わせは存在しないことが証明されました。




■      nが5以上の奇数のとき


X^5+Y^5=Z^5 のときを検討します。これも n=3 と同様の手法で証明が可能です。(Z-Y)/X=b/a, (Z+Y)/X=d/c として、保存版の第3式に代入して (ac)^5 + ((ad-bc)/2)^5 = ((ad+bc)/2)^5 を作ります。「ac と (ad-bc)/2 が互いに素である」という条件は使わないことにしたので、素ではないという前提で証明を進めます。つまり、a=jp, c=jq なる j, p, q という自然数が存在することになります。p , q が素になります。これを代入して整理すると 16*j^5*p^5*q^5 = 5*p^4*d^4*b*q + 10*p^2*d^2*b^3*q^3 + b^5*q^5 。両辺をpで割ると、右辺の b^5*q^5/p が割り切れないので p=1 となります。qを括りだして p=1 を代入した式は 16j^5*q^4 = 5d^4*b + 10d^2*b^3*q^2 + b^5*q^4 となります。両辺をbで割ると、左辺が 16j^5*q^4/b となり、これを自然数とため b=1 or q の約数となります。(bは奇数) q で割ると 5d^4*b/q が割り切れるには q=1, 5, もしくは qがbの約数となります。q と b が互いに約数となるということなので q=b となります。

場合分けは b=1, q=1, q=5, b=q という4種類です。

(1)      b=q の場合

そこでまず b=q のときを検討します。b=q を代入して q を括りだすと 16j^5*q^3 = 5d^4 + 10d^2*q^4 + q^8 となります。これをqで割ると、5d^4/q が残り、d q は互いに素なので、q=1, or 5 となります。

q=1 のとき、b=q なので b=1 となり、(Z-Y)/X=1/j, (Z+Y)/X=d/j から 3 >= d となりますが、d はもともと 5 以上の数なので成り立ちません。

q=5 のとき、16j^5*5^3 = 5d^4 + 10*5^4d^2 + 5^8 となります。これを 5^2 で割ると 5d^4/5^2 が自然数になりません。(dはq=5と素の関係なので5の倍数になりません。)

(2)      b=1 の場合

残りの場合分けも b=q を参考にするとすぐに解決します。b=1 の場合は b=1 を代入し 16j^5*q^4 = 5d^4 + 10d^2*q^2 + q^4 両辺をqで割ります。5d^4/q を自然数にするには q=1, or 5 となります。(d. q は互いに素)

b=1, q=1 はすでに b=q で分析済みなので飛ばします。b=1 で q=5 のとき 16j^5*5^4 = 5d^4 + 10d^2*5^2 + 5^4 なので両辺を 5^2 で割ります。すると 5d^4/5^2 だけが自然数にならないので成り立ちません。これで b=1 のときは終わりです。

(3)      q=1 の場合

次に  q=1 のときを分析します。 16j^5 = 5d^4*b + 10d^2*b^3 + b^5  なので、両辺をbで割ると 16j^5/b が自然数になるのは b=1 だけです。そして、b=1 なら 先の b=q と同じになります。

(4)      q=5 の場合

次に  q=5 のときを分析します。 16j^5*5^4 = 5d^4*b + 10d^2*b^3*5^2 + b^5*5^4  となり、bで割ると 16j^5*5^4/b を自然数にするために b=1 or 5の倍数となります。5^4 より大きい数にはなりません。b=1 のときは 5^2 で割ると 5d^4/5^2 が自然数になりません。(d, q=5 は互いに素) b=5 のときは 5^3 で割ります。b=5^2 のときは 5^4 で割ると自然数になりません。b=5^3 のときは5^5で割りますが、 16j^5*5^4/5^5 = 5d^4*5^3/5^5 + ... となり、割り切れない箇所が2か所発生してしまいます。b=5^4 のときは 5^5 で割ると 5d^4b/5^5 は割り切れますが、16j^5*5^4/5^5 のほうが自然数になりません。(j, b は互いに素)

結局、b=5^3 のときは矛盾を指摘できないので、3bq >= d から、d が 1875 以下の数であるという条件を得ます。また、j >= b なので j は 5^3 以上となり、d > jq なので d は 5^4=625 以上となります。また、d は奇数で、q と素の関係なので 5 の倍数にはなりません。つまり、1873, 1871, 1869, 1867, .... 629, 627 と、かなりの数になりますが、有限なのでひとつひとつ計算が可能になります。d=1873 のときは 16j^5 = d^4 + 10d^2*5^7 + 5^15 なので、これに d=1873 を代入すると j=248.225... となり、自然数になりません。以下同様に計算可能で、自然数にならないことが確認できます。


X^7+Y^7=Z^7 も同様の手法で証明できます。素人的にはこれでn奇数のときはすべて証明終わりと言いたくなります。はたしてどうなのか・・・、私は素人なのでなんとも言えませんが、とにかく証明は可能であるということです。




■      n=4 のとき


X^4+Y^4=Z^4 のとき、a, b. c. d の定義は先のとおりです。まとめると 2(ac)^4 = adbc*((ad)^2+(bc)^2) となります。a, c は素ではないということにしたので、a=j*p, c=j*q となる j, p, q という自然数を導入します。j, p は b と素の関係で、j, q は d と素の関係です。また、共通因子を括りだした後なので p と q は素の関係になります。

書き換えて j^4 と pq を括りだすと  2j^4p^3q^3 = p^2bd^3 + q^2b^3d となります。

両辺をpで割ります。すると、q^2b^3d/p が自然数にならなければならないので、p=1, or pがdの約数 という可能性が残ります。(q, b と p は素) 同じ式をd で割ると 2j^4p^3q^3/d が自然数にならなければなりません。dは奇数なので d=1, or d が pの約数となります。p と d が互いに約数なので d=p となります。

p=1, d=1, d=p という3通りに場合分けすることができます。


(1) d=p のときを先に分析します。

d=p を代入すると  2j^4p^3q^3 = p^5b + q^2b^3p となり、p を括りだすと 2j^4p^2q^3 = p^4b + q^2b^3 となります。これを bで割ると 2j^4p^2q^3/b を自然数とするために b=1, or bはqの約数、q で割ると p^4b/q を自然数とするために q=1, or qがbの約数となります。bとqは互いに約数なので b=q となります。ここも場合分けが必要となり、b=1, q=1, b=q を検討することになります。d=p が大前提です。

b=q とすると 2j^4p^2q^3 = p^4q + q^5 で、p, q は互いに素なので p=1, q=1 となり、2j^4=2 となりますが、j は 2 以上の数なので、成り立ちません。

b=1 のときは 2j^4p^2q^3 = p^4 + q^2 で、p=1, q=1 となり、 j=1 となり、成り立ちません。

q=1 のときは 2j^4p^2 = p^4b + b^3  p と b は互いに素なので p=1, b=1 となり、 j=1 で成り立ちません。

(2) p=1 のとき

p=1 のとき、代入すると 2j^4q^3 = bd^3 + q^2b^3d となります。両辺をqで割ると bd^3/q が自然数にならなければなりません。すると可能性として残るのは q=1, or qがbの約数 となります。(d と q は素) b で割ると 2j^4q^3/b が自然数になるためには b=1, bがqの約数となります。ですから、 b=q となります。ここも場合分けが必要になり、q=1, b=1, b=q と3通りになります。

二重の場合分けとなっているので複雑ですが、、まずは b=q のときを分析します。b=q を代入すると 2j^4q^3 = qd^3 + q^5d なので、2j^4q^2 = d^3 + q^4d に直します。両辺を q で割ると d^3/q なので q=1 となり、これを代入すると 2j^4=d^3 + d となります。b=q なので b=1 です。代入すると 2j^4 = d^3 +d となります。d で割ると 2j^4/d から d=1 となります。しかし、d は3以上の数なので成り立ちません。

p=1, q=1 のとき、代入すると 2j^4 = bd^3 + b^3d となります。両辺をbdで割ると 2j^4/bd が自然数になるのは bd=1 しかありません。(bdは奇数)つまり、b=1, d=1 ということです。これを代入すると 2j^4=2 となり、j=1 となります。しかし、j は 2 以上の数なので成り立ちません。

p=1, b=1 のとき、代入すると 2j^4q^3 = d^3 + dq^2 となります。両辺をdで割ると 2j^4q^3/d が自然数にならなければなりません。すると可能性として残るのは d=1 だけです。しかし、d は3以上、p=1 だと 5 以上なので成り立ちません。


(3) d=1 のとき

d=1 のときとしていますが、もともと d は 3 以上の数なので、検討する必要はありません。


以上ですべての可能性を検討して、すべて成り立たなかったので、n=4 を成り立たせる X, Y, Z は存在しません。




■      n=6 のとき、および、6以上の偶数のとき


X^6+Y^6=Z^6 の式を取り上げます。このとき、(ac)^6 + ((ad-bc)/2)^6 = ((ad+bc)/2)^6 が成り立つので、これを整理すると 16(ac)^6 = 3(ad)^5(bc) + 10(ad)^3(bc)^3 + 3(ad)(bc)^5 となります。a, c は互いに素ではないので、共通因子を括りだして a=j*p, c= j*q とします。p, q は素です。これを代入して整理すると 16(jpq)^6 = 3(pd)^5(bq) + 10(pd)^3(bq)^3 + 3(pd)(bq)^5 となります。両辺を p^2 で割ると 3(pd)(bq)^5/p^2 が自然数になる必要があります。p は b, q とは素ですが、d とは素ではありません。ゆえに、p=1, or 3, もしくは dの約数でなければなりません。同じ式を d で割ります。すると 16(jpq)^6/d を自然数とするために、d が p の約数となります。( dは1になりません。) p, d が互いに約数とは d=p であることを意味します。この式を成り立たせるのは p=1, p=3, および、d=p という3つの場合があるということです。

(1)まず p=1 の場合です。

p=1 ですから、代入します。16(jq)^6 = 3d^5(bq) + 10d^3(bq)^3 + 3d(bq)^5 となります。これを q^2 で割ると 3d^5(bq)/q^2 が自然数になるために q=1, or 3 or bの約数という結果になります。bで割ると 16(jq)^6/b が自然数になるために b=1 or bがqの約数となります。(bは奇数)この全体を纏めると q=1, q=3, b=1, b=q の4つの場合が検討対象となります。

そこで、まずは q=1を代入します。16j^6 = 3d^5b + 10d^3b^3 + 3db^5 となります。jは b, d と互いに素なので、b, d で割るとそれぞれ b=1, d=1 となります。つまり 16j^6=3+10+3 で、j=1 となります。j は 2 以上の数なので成り立ちません。

q=3 の場合は、16*j^6*3^6 = 9d^5b + 10*3^3d^3b^3 + 3*3^5db^5 となります。これを  d で割ります。16*j^6*3^6/d が残りますが、d は j と素であり、q=3 とも素なので 3 の倍数になれません。また、奇数なので偶数の 16 を割れません。また、d=1 にもなれないので、自然数になりません。

b=1 の場合、16(jq)^6 = 3d^5q + 10d^3q^3 + 3dq^5 となります。d で割ると、16(jq)^6/d が残ります。d は j, q とは素であり、奇数で、1でもないので成り立ちません。

b=q の場合は、16(jq)^6 = 3d^5q^2 + 10d^3q^6 + 3dq^10 となります。これも d で割ると 16(jq)^6/d を割り切ることができず、成り立ちません。


(2) p=3 の場合を検討します。

16(jpq)^6 = 3(pd)^5(bq) + 10(pd)^3(bq)^3 + 3(pd)(bq)^5  に p=3 を代入します。16*3^6(jq)^6 = 3*3^5d^5(bq) + 10*3^3d^3(bq)^3 + 3*3d(bq)^5 となります。b で割ると、16*3^6(jq)^6/b を割り切らなければなりませんが、b, j は素の関係で、奇数、p=3 と素の関係なので3の倍数にはなりません。ゆえに b=1 か qの約数になります。また、q^2で割ると 3*3^5d^5(bq)/q^2 を割り切ることになります。q, p は素なので3の倍数にはなりません。ですから、q=1 or bの約数となります。先に b が qの約数になっているので、b=q となります。

可能なのは b=1, q=1, b=q の3通りとなります。

b=1 のとき、16*3^6(jq)^6 = 3^6d^5q + 10*3^3d^3q^3 + 3*3dq^5 となります。q^2 で割ると 3^6d^5q/q^2 が割り切れるためには qは p と素なので3の倍数にはなりません。また、d とも素なので、q=1 となります。これは b=q の一部なので、b=q の分析に移ります。

b=q のとき、16*3^6(jq)^6 = 3*3^5d^5q^2 + 10*3^3d^3q^6 + 3*3dq^10 となります。q^3 で割ると 3*3^5d^5q^2/q^3 を割り切るのは q=1 だけです。また、b=q なので b=1 です。これらを代入すると 16*3^6j^6 = 3^6d^5 + 10*3^3d^3 + 3*3d となります。しかし、この場合は 3qb >= pd という条件があるので、3 >= 3d から d=1 となります。しかし、d は 3 以上の数なので成り立ちません。


(3) d=p の場合を検討します。

dは 3 以上の数であることを念頭に d=p を代入します。 16(jpq)^6 = 3p^10(bq) + 10p^6(bq)^3 + 3p^2(bq)^5  となります。q^2 で割ると 3p^10(bq)/q^2 が自然数になるために q=1, 3, bの約数の可能性があります。bで割ると 16(jpq)^6/b で、j, p とは素なので、b=1 or qの約数となります。ゆえに q=1, q=3, b=1, b=q という4つの可能性があります。

q=1 を代入すると  16(jp)^6 = 3p^10b + 10p^6b^3 + 3p^2b^5 となります。b で割ると 16(jp)^6/b を自然数にするために b=1 となります。16(jp)^6 = 3p^10 + 10p^6 + 3p^2  を p^3 で割ると 3p^2/p^3 が残るので、p=1, or 3 となります。p=d なので pは 3 以上の数でなければならず、p=3 となります。p=3 を代入すると 16*3^6*j^6 = 3*3^10 + 10*3^6 + 3*3^2 となり、これを 3^4 で割ると 16*3^2*j^6 = 3*3^6 + 10*3^2 + 1/3 となります。1/3 だけが自然数でないので、j は自然数になりません。

q=3 を代入すると 16*3^6(jp)^6 = 3*3p^10b + 10*3^3p^6b^3 + 3*3^5p^2b^5  となります。p^3 で割ると 3*3^5p^2b^5/p^3 が残ります。p は q と素なので3の倍数になることはできず、b と素なので割り切れません。よって、自然数になりません。

b=1 を代入すると 16(jpq)^6 = 3p^10q + 10p^6q^3 + 3p^2q^5 となります。p^3で割ると 3p^2q^5/p^3 が自然数になりません。pは3以上の数で、qと素なので、割り切れません。

b=q を代入します。 16(jpq)^6 = 3p^10q^2 + 10p^6q^6 + 3p^2q^10 となります。p^3で割ると 3p^2q^10/p^3 から p=1 or 3 となります。q^3 で割ると q=1, q=3 となります。 p, q は素なので p=1 なら q=3, p=3 なら q=1 となります。代入するとどちらも 3*3^2 が現れるので、これを 3^4 で割ると 1/3 が残ります。左辺は自然数で、右辺が自然数にならず式が成り立ちません。


これで n=6 のすべての場合を検討し、X^6+Y^6=Z^6 を成り立たせる自然数がないことを確認しました。

nがいくら大きな偶数でも証明手順は同じなので証明は可能です。よって、 X^n+Y^n=Z^n を成り立たせる 自然数 X, Y, Z は存在しません。







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