連分数、もしくは、正則連分数



ある本に簡単な連分数についての紹介を見つけました。それによると、√3や、pi、自然対数などは連分数で表現できるとのことで、その式が載っていました。これも数列の変換のひとつの事例ですから、面白そうだと思い、自分でも調べてみました。

電卓計算は面倒ですから、プログラムを作って連分数計算をさせて見たところ、これは大成功でした。無理数が簡単な法則のもとに並ぶ整数で表現できることは素晴らしいことです。

最初は整数列を作って、それから連分数の値を計算していましたが、逆に、有名な無理数を前提に、その値になるような連分数を求めることもそれほど難しくないことが判りました。

連分数の説明は難しくありません。ただ、残念ながら、それをウェッブで表現するのは簡単ではありません。いずれ、図表と同じようにして、アップしますが、それまでは、各自で手頃な解説書を参考にしてください。
f(n)=a(0)+1/{(a(1)+1/{(a(2)+1/{a(3)+1/{a(4)+1/{....... }}}}}}}
となるような式のことです。数列の終わりから計算する形になります。

たとえば、1,1,1,1,... のような1が並ぶ数列があったとしましょう。この連分数は、
ans=1+1/(1+1/(1+1/(1+1/(1+ )))))
ですから、まず、n(1)=1+1/1を計算します。次に、n(2)=1+1/n(1)を計算します。次に、n(3)=1+1/n(2)を計算します。これを無限に繰り返すと、ある値に収束します。それは、ans=0.618033988... となります。

1,2,3,4,5,6.... のような数列なら、ans=0.69977746579.... となります。数列が決まれば、連分数計算は難しくありません。私の場合、これをプログラム化していますので、すぐに答えが出ます。

いろいろ、整数列を変えて調べましたが、一番気に入ったのは、自然対数eです。これは非常に綺麗な法則で並んでいます。

数列、2,2,2,1,1,4,1,1,6,1,1,8,1,1,10,1,1,12,1,1,14,1,1,......
この数列は、1をふたつ挟んで、2,4,6,8,10,12と並びます。最初の2,2が例外となるだけです。他の有名な無理数も、このように並んでくれると良いのですが、実際はそうはいきません。piもその他の無理数も綺麗な連分数で表現できるわけではありません。しかし、自然対数以外にも、いくつか興味深い現象を見つけました。

平方根とtanは連分数と相性がいいようで、綺麗な法則のもとに並んでいる例が沢山見つかりました。

√2は、1,2,2,2,2,2,2....
√3は、1,1,2,1,2,1,2,1,2,1.....
√5は、2,4,4,4,4,4,4......
√6は、2,2,4,2,4,2,4,2,4,2.....
√7は、2,1,1,1,4,1,1,1,4,1,1,1,4....

このように、√記号の無理数は、綺麗に並ぶ連分数で表現できるものばかりです。

tan(1)=1.557407725... ですが、これは、1,1,1,3,1,5,1,7,1,9,1,11,1,13,1,... と並びます。
tan(0.5)は1以下となり、正則連分数で表現しにくいので、1/tan(0.5)を調べます。すると、
1,1,4,1,8,1,12,1,16,1,20,1,24,1,.....
と並んでいることが判ります。
1/tan(0.25)は、3,1,10,1,18,1,26,1,34,1,42,1,50,1,58,.... です。


これら以外にも綺麗な連分数があるはずですので、これから探してみようと思っています。

ちなみに、piの連分数はあまり綺麗ではありません。
3,7,15,1,292,1,1,1,2,1,3,1,14,2,1,1,2,2,..... と続きます。

log(2)も1以下ですので、1/log(2)として調べてみましたが、3,3,9,2,2,4,6,2,1,1,3,1... となって、法則は見つかりません。


以上は、正則連分数という範囲で調べた結果ですが、分子を1以外の数にすると、さらに大きな可能性が開けるようです。しかし、今のところ、そこまで手を広げる余力がありませんので、この辺で止めておきます。





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