フェルマー大定理の複素数への拡張


フェルマー大定理の証明が終わってしまったので、証明への情熱を持っていた人はさぞかしがっかりしてしまったことでしょう。しかし中には、ワイルズ証明よりももっと単純明快な証明を求めて研究している人もいるようです。そういう人には拍手喝采を送りたいと思います。

もっとも、私自身はそういう証明にはもともと関心を持っていなかったので、これからさらに探求する気持ちにはなっていません。ただ、最近複素数も勉強するようになったので、フェルマー大定理を複素数まで拡張したときはどうなるかという疑問を持ったので、これについてだけ調べてみました。

X^n+Y^n=Z^n のX,Y,Zが複素数だとすると、n=3でも存在するX,Y,Zがあるかもしれません。もし、無いとするなら、証明の対象になります。

ここで言うX,Y,Zは複素数なので、整数という概念がありません。そこで、まずはその定義から始めなければなりません。たぶん、a+bi のa, b, が整数であれば良いのではないでしょうか。一応の前提として、これで考察を進めることにします。つまり、a, b が整数の時、複素数 a+bi を複素整数と定義し、通称として整数と呼ぶことにします。

さて、n=2のときは、いわゆるピタゴラスの定理になりますが、複素数ではどうなるのでしょうか。実数の整数と同様にいくつもの解が見つかるのでしょうか? これについては、考えていても仕方がなので、実際に計算してみることにしました。(a+bi)^2+(c+di)^2=(f+gi)^2 と置いて、あとはコンピュータで探すことにしました。10以下の整数で、これらのa,b,c,d,f,g を満たす組み合わせを探すことから始めました。すると、思ったよりたくさん見つかりました。

1+2i, 2+i, 2+2i
2+9i, 9+2i, 6+6i
4+i, 7+4i, 8+4i
などです。たくさん見つかったので、このくらいにしておきます。

n=3 ではどうなるでしょうか。コンピュータで探したところ、50まで計算したところ、ひとつも見つかりませんでした。・・・とすると、無いのかもしれません。・・・が、もう少し調べてみる必要があります。結果についてはいずれ近い内に報告します。






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