ベルヌーイ、オイラーの業績との比較



ベルヌーイ、オイラー大先生の業績と私の公式とを比較するのも申し訳ない気持ちですが、どうも関連性がありそうなので、判る範囲で比較させていただきます。もし、関連があるとするなら、私の研究も18世紀レベルまでは到達したことになります。

ベルヌーイ(Bernoulli)という人は数人います。数学の天才を生みだした家系と言うことで、ベルヌーイ家とも言われます。中でも有名なのは、ヤコブ、ヨハン、ダニエルの3人です。

ヤコブ(Jakob 1654-1705)はジャックともジェームズとも呼ばれることがあります。彼はスイスのバーゼル大学の数学教授を務め、ニュートン、ライプニッツらの作った微積分学を発展させた人物で、積分(calculus integralis)という単語は彼が使い始めた言葉だと言われています。

ヨハン(Johann 1667-1748)はジャン、ともジョンとも呼ばれますが、兄のヤコブの跡を次いで、バーゼル大学の数学教授を務め、多くの業績を残しました。関数(Functio)という単語は彼から始まったとのことです。また、重力加速度を記号gで表すようになったのも、彼からであるそうです。

ダニエル(Daniel 1700-1782)は、ヨハンの次男で、数学だけでなく、理論物理学において大きな功績があります。彼は、ロシアのペテルブルグ科学アカデミーの数学教授でしたが、1733年、バーゼルに帰る際に後任にオイラーを推薦しています。

レオンハルト・オイラー(Leonhard Euler 1707-1783) もバーゼル出身で、1744年にベルリン科学アカデミーの数学教授となり、1766年より、ダニエル・ベルヌーイの跡を継いでペテルブルグで数学教授として活躍します。彼は、数学全般にわたり数多くの偉大な業績がありますので、数学を少しでも学んだ人なら、彼の名を知らない人はひとりもいないと言えます。

これらの偉大なる数学者の業績は、あまり多方面にありまして、私のレベルではその全貌は知ることはほとんど不可能です。しかし、私の公式と比較するために、何とか一部でも理解しようと努力した結果、いくつかのことは判ってきました。まだ、確信を持って説明できませんが、自分のために纏めてみることにより、今後の学びの方向を決めたいと思っています。


ベルヌイ数

ベルヌイ数という数列が私の発見したsu(n)に近いことは、1988年頃、本屋で数学公式集を立ち読みしていて教えられました。ベルヌーイがヤコブのことか、ヨハンのことか、その当時は何も知りませんでしたが、この数が私の公式と非常に近いものであることはすぐ判りました。その後、数学研究をさぼっていましたが、最近、ようやくベルヌイ数について、少し理解できるようになりました。

ベルヌイ数と言う場合は、
x(1-e^x) もしくは、x*e^x/(e^x-1)の展開で得られる数とのことです。母関数という言い方で、x/(e^x-1)=1-x/2+Σ(Bk/k!*x^k) という式が公式集には載っています。このあたりの公式集の説明は私には何のことかさっぱり判りません。


ベルヌイ数は不思議なことに、解説者によって、表記の仕方が異なっています。非常に問題ある現象だと思いますが、気を付けなければなりません。

一般にベルヌイ数と言う場合、、
B(0)=1
B(1)=-1/2
B(2)=1/6
B(4)=-1/30
B(6)=1/42
B(8)=-1/30
の数列を意味します。
su(n) との違いは、B(1)=-1/2 であることですが、あとは、n! で割ったものが su(n) になります。

別の表記では、

B(1)=1/6
B(2)=1/30
B(3)=1/42
B(4)=1/30
B(5)=5/66
B(6)=691/2730
B(7)=7/6
B(8)=3617/510
という具合です。

いずれにせよ、n=1 の場合を除くと、B(n)=n!*su(n) もしくは、B(n)=(-1)^(n+1)*(2*n)!*su(2*n) という関係にあります。


Σ(1/n^r)の収束数をk(r) で表すと、k(2*r)={(-1)^(r-1)*B(2*r)*(2*pi)^2}/2/(2*r)! となると数学書に載っていました。

B(n)の漸化式として、
B(0)=1
B(1)=1/2*B(0)
B(2)=1/2!*B(1)-1/3!*B(0)
B(3)=1/2!*B(2)-1/3!*B(1)+1/4!*B(0)

の表もベルヌイ数として載せられています。
(注  この表ではB(1)=+1/2 となっていることは注目に値します。)
また、ベルヌイの多項式というのもあり、Σ(n^r) の一般解もベルヌイが明らかにしていると言えるようです。

また、tan もベルヌイ数に関係しています。tan(n)=sin(n)/cos(n) ですから、あえてテーラー展開する必要性は弱いので、滅多に話題になりませんが、一応展開すると、以下のようになります。ベルヌイ数はフェルマー最終定理の証明にも登場するそうで、いろいろなところに顔をだすのですね。

tan(n)=n+1/3*n^3+2/15*n^5+17/315*n^7+.....

項目の1/3、2/15、17/315には一見して法則性は見えませんが、これがsu(r) に関連していることは判っていますので、su(r)*2^r と置き換えてみますと、
tan(n)=n+3*5*su(4)*2^4*n^3+3*21*su(6)*2^6*n^5+15*17*su(8)*2^8*n^7
+31*33*su(10)*2^10*n^9+4095*su(12)*2^12*n11+16383*su(14)*2^14*n^13
+65535*su(16)*2^16*n^15+....
となります。

ここで、項目に n*(n+2) の形が多いので、調べてみますと、4095も、16383も、65535も、凡てn*(n+2) の形になります。しかも、ある法則のもとにあることが判ります。

4095=63*65、16383=127*129、65535=255*257、となりますので、つまりは、
tan(n)=1*3*su(2)*2^2*n+3*5*su(4)*2^4*n^3+7*9*su(6)*2^6*n^5.....
となります。

項目に現れる、n(n+2)は、すべて、(2^r-1)*(2^r+1) ですから、符号も考慮すると、
tan(n)=Σ(2^r-1)*(2^r+1)*su(2*r)*2^(2*r)*n(2*r-1)*(-1)^(r+1)
となります。

これをベルヌイ数で表現しますと、
tan(n)=Σ{(2^r-1)*(2^r+1)*B(2*r)*2^(2*r)*n^(2*r-1)*(-1)^(r+1)}/(2*r)!
となります。

もしくは、別のベルヌイ数の表記の仕方を採用すると、別の表現になりますが、面倒なので、それは省きます。
また、同じ式を別の形で書き表すこともできます。

このように、ベルヌイ数と su(r) は基本的に同じ数列を指していますが、ならば、Σ(1/n) も n! もベルヌイ数で表現できることになります。

今のところ、n! (やや修正すればガンマ関数)の説明に、ベルヌイ数との関連が書かれていません。スターリング公式を書くくらいならば、ベルヌイ数との関連は絶対に指摘されなければなりません。まさか、この事実を専門家が知らないと言うことはないでしょうが、もし知らないとすると、私の発見は大発見となります。



表紙に戻る  前のページへ  次のページへ